ジャズの独特なリズムを俳句で表現する!? [ジャズ/ピアノ/音楽]
ジャズの特徴の1つに挙げられる“独特なリズム”について、
なんとかテキストで表現できないものだろうか。
しかもできれば音楽やジャズに関する事前の知識なしで、
感覚として理解できるように。
そこで、リズムを説明する媒体として、俳句を使ってみようと思った。
俳句といえば、5・7・5の3句、17音を基本としている。
島々に 灯(ひ)をともしけり 春の海
正岡子規
これをかなで書くとこうなる。
しまじまに ひをともしけり はるのうみ
実際に詠んでみると、はっきりとリズムを感じることができるだろう。
すると、自然と空白の長さも決まってくる。
しまじまに□□□ | ひをともしけり□ | はるのうみ□□□
つまり、これで8音ずつに区切られるわけである。
音がある場合を●、ない場合を○で書いてみるとこうなる。
●●●●●○○○ | ●●●●●●●○ | ●●●●●○○○
(読む場合は、
タタタタタトトト | タタタタタタタト | タタタタタトトト など)
しかしこれは、リズム解釈の一例にすぎない。
次のようにシフトすることも可能だろう。
□しまじまに□□ | □ひをともしけり | □はるのうみ□□
○●●●●●○○ | ○●●●●●●● | ○●●●●●○○
音の時間的な開始位置を前後させることで、アクセント箇所変更を
誘発させることができるわけだが、実は一番いいたいのはここからである。
独特なリズムを生み出すために、ジャズでは上記のような
・フレーズの開始位置の前後
に加えて、
・1音1音の長さの伸縮
→極端にいうと、「しまじまに」→「しーまじーまに」
・アクセント位置の任意変更
→「しまじまに」「ひをともしけり」「はるのうみ」
といった変化を加える。
しかもその具合は毎回微妙に変えながら。
目指すところは、
・自然と腰が動き出すような気持ちよさ
であろう。これこそがスイングである。
とても素敵なアプローチですね。
山下洋輔さんが「砂山」というレコードで
「砂山」・・・うみはあらうーみむこぉおーはさぁどぉよ とか
「うさぎのダンス」・・・ソラッソラソソラウサギのダンスゥ とか
「あの町この町」・・・あのまちこのまちひぃがくぅれぇるぅうひぃがくぅれるいまきたこのみちかぁぇりぃゃんんせぇえかぁえりぃやんせ とかやってますね。
マハビシュヌ・オーケストラの超変態変拍子で、馬鹿のリスイングしているのも凄いです。
ここで、やはりかの渡辺貞夫さんの「飯食ってる時も風呂入っている時もジャズなんだよね」と栃木県小山市なまりでのご発言、深いです。
by (2005-02-26 00:39)
IAZZへの触れ方の意外な面を知ることが出来ました。
音楽の基本を知らない私が言うのも、おかしな話ですが、
言葉にもあるように音の始まる前、あと・・・。これを楽器で表現できる素晴らしさがあるような気がしてきました。
by aqualine (2005-02-26 11:43)
> うろちいさん
全く聴いたことがなかったので、山下洋輔さんの「SA KU RA」
買ってみました。
たしかに、「5・7・5」という曲があるのですね・・・。
> marumoさん
そうなんです。楽器で唄い上げるのがいいんです。
もちろんVocalでもいいのですが、歌詞の意味ではなく、
メロディーで、音そのもので語るのがいいんです。
言葉の壁なんてありませんし、下手をすると
動物や植物にも伝わるかもしれません。
by jzpf (2005-02-26 23:46)
はじめまして
俺は聴く専門ですが目から鱗です
最後の3行がnice過ぎます
by popopo (2005-03-01 23:21)
> ぴろまきさん
はじめまして。
そういっていただけると嬉しいです!
by jzpf (2005-03-02 00:08)